シェアハウスに住んでいると、示し合わせなくとも誰かと一緒にご飯を食べたり、お酒を飲んだりすることがある。
先日、あるハウスメイトがスイカを買ってきた。直径30センチはあるスイカで、一人暮らしでは、物理的には購入可能だが、その後しばらく食事がスイカ攻めになることをふまえると買えないサイズだ。ハウスメイトとスイカをカットし、その場にいたメンバーと一緒に食べた。甘くておいしいスイカを食べながら「夏が来たね~」とみんなでおしゃべりし、楽しいひと時を過ごした。
スイカはあまりにも多かったので、その場ではとても食べきることができず、余った分はラップをかけて、共有の冷蔵庫に入れた。そして「スイカがあるので、食べたい方はご自由にどうぞ」と、グループチャットにアナウンス。ちなみに、スイカを食べた人は、購入者と顔を合わせたタイミングでお礼を言えばよい。
翌日の夜も少しだけカットされたスイカが残っていたらしい。勉強を終えて、晩御飯を食べるために共有スペースに行くと、別のハウスメイトがスイカを使ったオリジナルカクテルを作っていた。スコッチと、コーラ、そしてすりつぶしたスイカ。業界にこういうレシピがあるのかは知らないが、スコッチとスイカの風味の方向性が似ていたからか、意外な組み合わせではあるが、おいしかった。
食べ物そのもののシェアはよくあるが、食べ方のシェアもしてもらえる。シェアハウスでなかったら、スイカのカクテルなんか飲むこともなかっただろう。そういう、「ここにいなかったらできなかった一瞬一瞬」がたくさんあるから、シェアハウス生活は楽しい。
梅雨も明け、このシェアハウスで初めての夏を迎えることになるが、人に限らず、食べ物や経験など、そんなものに出会えるか、楽しみである。