今週のお題は「ゾッとした話」だそう。
最近ぞっとした出来事といえば、ある雨上がりの夕方のことである。
私が住んでいる地域は、一時期、夕方にどっと雨が降ることが頻繁にあった。
それ自体は慣れているのでいいのだが、注意しなければいけないのは雨上がりの方である。
私が住んでいる場所は、いわゆる亜熱帯気候なので、虫がわんさかいる。
絶対数も多いと思うし、種類も多様だ。たとえば、Gとか見かけない日がない。
そして、私がぞっとしたのはまさにGである。
雨上がりの夕方、晩御飯を食べてから帰ろうと思い、会社の近くの飲食店に歩いて行った。雨が上がった直後だったので、すごくじめじめしていたし、歩道も濡れていた。
ご飯は美味しく、満足したところで店を出た。そして、数歩歩いたところで目の前に網目状のふたがかかった排水溝を見つけた。排水溝自体は、たくさんあるのだが、その排水溝は、たまたま飲食店街にあり、しかも、たまたま雨上がりだったこともあり、Gがうじゃっといたのである。
こちらのGは結構でかっくて、まあ私の親指くらいの大きさだっただろうか。行きしなに気付かなかったことと、うっかり排水溝をまたいでいたらと思うと、ぞっとする。こちらで見かけるGは日本と違って人なれしているのか、あまり動かない(もちろん、逃げ足は速い)。だから、ちゃんと足元を見ないと本当に踏んでしまうことがあるのだ。
それ以降、私は排水溝の網の上を歩かなくなった。いまここにGがいなくても、きっと雨上がりのときにやつらがここで休んでいただろうと思うと、気持ち悪く感じるからである。さらに、あるスマホもしなくなった。排水溝に限らず、その辺の道にGがいて、踏んづけそうになることがときどきあるからである。
見るだけでも嫌なのに、さらに踏みかけるとなるとぞわっとする。慣れたくはないが、心臓にわるいので、なんとかならないものだろうか。